Compensation from the Government
建設現場で働き、中皮腫・肺がん・石綿肺などのアスベストによる病気になられた方は、
国等に損害賠償ができる可能性があります。
一緒に過去のお仕事について思い出してみませんか?
建設現場で、アスベスト(石綿)含有建材を直接扱ったり、飛散するアスベスト粉じんを吸入したりして、健康被害を受けた建設労働者とその遺族が、アスベストの危険性を知りながらアスベスト含有建材を製造、販売し続けたメーカーと、規制を怠ってきた国に対し損害賠償を請求している裁判です。
建設アスベスト訴訟は、2008年の東京地裁への提訴を皮切りに、これまで全国各地の地方裁判所で提起されています。被害者の数は1000人を超え、原告の数は被害者の遺族も含め約1500人を超えています。(2022年6月7日現在)
建設業でせき・たん・息切れの呼吸器症状のある方、
労災認定をまだ受けていない方は、アスベストセンターにご相談ください
詳しくはこちらをクリック
2022年6月7日、原告190人(被害者数137人)がアスベスト建材メーカーに対し、全国10地裁(札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、京都、大阪、岡山、高松、福岡)において一斉に提訴しました。
アスベストセンターの会員からは、仙台と東京あわせて10人(被害者数7人)が原告となり提訴しています。
被告建材メーカー:
エーアンドエーマテリアル、エム・エム・ケイ、神島化学工業、大建工業、太平洋セメント、ニチアス、日鉄ケミカル&マテリアル、日東紡績、日本インシュレーション、ノザワ、バルカー(計11社・東北訴訟(仙台地裁)の場合)
アスベスト関連疾患を発症した建設業従事者や遺族は、2008年以降、国とアスベスト建材を製造・販売した建材メーカーの責任を追求する「建設アスベスト訴訟」を全国各地の裁判所に提起してきました。
2021年5月17日、最高裁は先行していた4訴訟について、国および建材メーカーの責任を認める判決を下しました。
これを受けて国は、屋外作業者の排除や国の違法期間の短さなどの問題は残しつつも、最高裁判決を踏まえた基本合意に基づき、原告とは和解協議を進めることで裁判は終結に向かい、未提訴者については「建設アスベスト給付金」制度を創設し、給付金の支給による救済を進めています。
一方、建材メーカーは、判決によって責任が認められたにも関わらず、継続中の訴訟でも自社の責任を争い、依然として和解に応じる姿勢を見せていません。建材メーカーは、最高裁判決を真摯に受け止め、自らの責任を認めて、訴訟の1日も早い解決に踏み出すべきです。そして、すべての建設アスベスト被害者を全面的に救済する制度への参加を決断すべきです。
建材メーカーの責任は、遅くとも国と同じ時期にアスベストの危険性を認識しがらも、利益追求を最優先にするばかりに、その危険性を建設現場の作業者に警告表示することなく、建設現場で多くのアスベスト被害者を発生させたことにあります。
遺族原告の一人は、「夫を中皮腫にして、私腹を肥した建材メーカーを私は許せない。裁判をして建材メーカーの責任を訴えたい。謝罪してほしい」と話します。
アスベストセンターは、原告を含む被災者と弁護団とともに、被告の建材メーカーが責任を果たすまで、訴訟という形で責任を追求していきます。
また、屋外労働者や国が認めなかった責任期間に懸命に働いた方々の思いを受け止め、補償・救済を目指して頑張ります。
建設アスベスト給付金の申請を諦める必要はありません。私ども相談員が業務内容等の詳しい聞き取り調査を行い、可能であれば労災申請の段階からお手伝いします。
環境省(環境再生保全機構)の石綿救済法で認定を受けた方、じん肺管理区分決定を受けて現在健康管理手帳(じん肺)をお持ちの方、建設アスベスト給付金の申請手続きについてご不安な方は、ぜひアスベストセンターまでご相談ください。
厚生労働省は、2022年1月19日に「建設アスベスト給付金制度」への申請受付を開始しました。なお、給付金請求手続きの利便性を図る目的で、「労災支給決定等情報の提供サービス」の実施が、2021年12月1日より先行開始されています。
最高裁判決と基本合意書の締結を契機としてまだ訴訟を起こしていない同様の被害者に対しても国が賠償金を支払う法律「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関わる法律(建設アスベスト給付金法)」が成立しました。
国と原告団・弁護団で基本合意書 が取り交わされました。
最高裁は審理が先行していた4訴訟(横浜、東京、京都、大阪)の上告審判決で、国とメーカーの責任など、各高裁では判断が分かれていた主要な争点について、統一判断を示しました。
私たちアスベストセンターは、弁護士、医師、専門職員がチームとなり、2003年の発足以来19年間にわたり、アスベスト関連疾患の訴訟案件を解決してきました。国内のアスベスト関連疾患の困難な訴訟に先駆けて取り組み、日本有数の実績を持っています。
アスベストセンターは、多数の建設労働者とその遺族の労災認定と建設アスベスト訴訟を支援しています。
2020年8月に仙台地裁に提訴した建設アスベスト東北訴訟1陣原告8人、2022年6月に仙台地裁と東京地裁に提訴した東北訴訟2陣、東京訴訟4陣のあわせて原告10人は、アスベストセンターが労災認定を支援した方々です。被告建材メーカーの責任追求、裁判によらない被害補償制度確立のため、建材メーカーに対する損害賠償請求を今後も支援していきます。
アスベストセンターは、原告と弁護士との間の調整や、提訴に必要な資料準備の補助など、原告を全面的にサポートします。
アスベストセンターは、長年にわたり建設業のアスベスト問題に携わってきました。他にはない知恵と経験、支援の実績があります。 私たちは非営利団体ですので、安心してご相談ください。
建設現場で働き、中皮腫・肺がん・石綿肺などのアスベストによる病気になられた方やそのご遺族に対し、一定の要件を満たす場合に国が給付金を支給する制度です。2021年6月に制度を新設するための法律が成立し、2022年1月より運用が開始されています。
厚生労働省パンフレット[建設アスベスト給付金制度の概要]
以下の1~3の要件をすべて満たす方が対象となります。
症状 | 合併症なし | 合併症あり |
---|---|---|
石綿肺 (管理2) | 550万円 | 700万円 |
石綿肺 (管理3) | 800万円 | 950万円 |
石綿肺 (管理4) | 1,150万円 | |
肺がん | 1,150万円 | |
中皮腫 | 1,150万円 | |
びまん性胸膜肥厚 | 1,150万円 |
症状 | 合併症なし | 合併症あり |
---|---|---|
石綿肺 (管理2) | 1,200万円 | 1,300万円 |
石綿肺 (管理3) | 1,200 | 1,300万円 |
石綿肺 (管理4) | 1,300万円 | |
肺がん | 1,300万円 | |
中皮腫 | 1,300万円 | |
びまん性胸膜肥厚 | 1,300万円 |
建設アスベスト給付金制度は、2022年1月より完全施行されています。 手続きについては【建設アスベスト給付金制度について】をご確認ください。
国からの給付金は、建設アスベスト被災者が受け取るべき損害賠償額の半分を補填するものに過ぎません。残り半分は、建材メーカーが補填すべきです。
建設アスベスト訴訟の判決の水準
(国の責任1/2、建材メーカーの責任1/2の場合)
建設アスベスト給付金
(建材メーカーの責任は?)
建材メーカーに対し、損害賠償を請求したいという方をアスベストセンターは応援します。ぜひご相談ください。
2022年6月時点の内容です。
労災申請・認定から訴訟まで、私たちがご支援します。
私たちにご相談ください。
事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)
お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。
事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)
お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。
委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)
母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。