建設アスベスト訴訟ニュースNo.19
2025年3月27日

The Construction-Asbestos Lawsuit News

首都圏第4陣 第10回・第11回期日

東京地裁前集会

2025年1月21日及び3月17日に首都圏建設アスベスト訴訟(東京)第4陣の第10回及び第11回期日が、東京地裁において開かれました。

訴訟の進行が先行する東京1陣及び2陣については、東京高裁が早期解決を目指してほぼ同一内容の和解案を示し、原告団はその和解案を受け入れています。

和解案の概要

  • 主要ばく露建材を製造販売し、そのシェアが10%以上の建材メーカーの責任を認めた
  • 建材メーカーの基本的な賠償責任の割合(寄与度)を40%〜50%と認めた
  • 基本慰謝料額を建設アスベスト給付金と同一額を認めた

和解案の提示にあたり、被災者が高齢化し多くの方が亡くなられて早期全面解決が求められていることを踏まえ、東京1陣の裁判長は、被告建材メーカーらに早期解決に向けて努力するよう要望する旨を述べ、また、東京2陣の裁判長も一刻も早い被害回復が求められていることから、東京1陣訴訟とほぼ同様の基準の和解案を提示した旨を述べるなど、裁判所も被害救済に向けて強い思いを持って和解に臨んでいると考えられます。

全国では、大阪2陣・3陣訴訟で和解案が提示されています。特筆すべきは、東京1陣・2陣と比較してより多くの被告建材メーカーの責任を認めたこと、責任が認められなかった被告建材メーカーに対しても、1社あたり300万円の和解金の支払いを求めたことです。

一方で、改修・解体工については建材メーカーの責任が否定されており、屋根工に至っては国の責任すら認められていない状況です。東京1陣・2陣では判決を求め争う姿勢を構えており、東京3陣・4陣では法廷での証人尋問、新たな証拠提出により、被告建材メーカーらの責任の立証に力を入れています。

アスベストの被害を受けたすべての建設労働者、ひいては全てのアスベスト被害者が、同等の水準で補償を受けられることが、この一連の訴訟の最終的な着地点につながるものと考えます。これからも共に闘ってゆきましょう。

東北訴訟

2025年3月3日、仙台地裁において第1陣原告の遺族尋問が行われ、山形県在住の大工の遺族と、岩手県在住の配管工の遺族が、それぞれ法廷に立ちました。

法廷でお二人は、「頑張って生きているけれども、外出先で夫婦で歩いている同じ年頃の人たちを見ると今も泣けてくる。被告建材メーカーは自分や家族のこととして被害を想像し、考えてみてほしい。遺族も本人同様に悔しさや悲しみでやり切れない。」「アスベストのようなものが入っている建材をもう作らないで欲しい。」といった切実な言葉で被害を訴えました。

医療・健康相談員の
ご紹介

事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)

お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。

尾形海子


事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)

お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。

田口正俊


委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)

母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。