The Construction-Asbestos Lawsuit News
東京地裁に提訴している首都圏アスベスト訴訟には、アスベストセンターと東京労働安全衛生センターから会員10人(被災者8人、いずれも第4陣)が現在参加しています。
また、仙台地裁に提訴している東北アスベスト訴訟では、2020年に第1陣が提訴したのを皮切りに、22年・23年と計23人(被災者17人)が続けて提訴しておりそのうちアスベストセンターの会員12人(被災者7人)が、現在参加しています。
2024年11月27日の首都圏建設アスベスト訴訟第9回期日で開かれた集会では、アスベスト訴訟弁護団の水口洋介弁護士より、裁判闘争の現局面について以下の報告がありました。
『全国の建設アスべスト訴訟のなかで、最大規模の原告である東京1陣の和解勧告が12月26日に行われることになりました。
東京一陣訴訟の提訴から15年、最高裁判決が2021年5月17日に出て国については勝訴し、判決が確定しましたが、メーカーについては、差し戻しされて、それから3年間審議されてきました。
差し戻し審となる東京1陣の原告は約300人、去年10月10日に結審し、結審をした際に裁判長が「本件は和解での解決が望ましい。和解について連絡をする。」としましたがやっと12月26日10時30分から法廷で原告、被告、支援者を呼び、和解勧告をすると裁判所から連絡が来ました。
この和解内容は、もう1年も過ぎているので、おそらく判決の心象に基づいた、一人一人の原告と被告との間での具体的な和解になると思われます。
この相当期間経過した中で裁判所がわざわざ年末に期日を調整し、原告、被告双方を呼び出し話をするということは、裁判長の和解による解決に対する並々ならぬ覚悟を示しているのではないとかと思います。
判決は白黒をはっきりさせますが、和解とは双方の合意に基づいて解決することであり、原告も被告も和解でよいか検討することになります。和解も判決の内容も、これだけ時間がかかっているのでそう違いがある訳ではありません。この重い和解案についてよく検討をし、なによりも早期解決が重要になります。この和解案は一定の基準を示してくるので、その内容は2陣3陣4陣に大きな影響を与えます。この和解案が一定の水準で納得いくものであれば、2陣3陣4陣も大きく解決の方向に向かっていくことになります。』
また、建設アスベスト訴訟全国連絡会の清水謙一事務局長からは、以下の決意表明がありました。
『いよいよ、私たちの力でつくった建設アスベスト給付金制度の附則2条「国以外の者による責任」、これが今こそ明らかになっているときはないかと思います。一刻も早く給付金法を改正し、すべての判決で責任を認められているアスベスト建材製造企業の責任を明らかにすることが求められています。1陣だけでなく2陣3陣4陣もみんなで力を合わせて、被告会社に「和解を受けろ」と運動を進めていくことが必要です。』
首都圏・東北のいずれの訴訟においても、期日(裁判が行われる日)には多く原告が傍聴応援に駆けつけ、仲間を勇気づけています。
昨年から今年にかけて、私たちの仲間も法廷に立ちました。東京地裁では昨年10月に蓮見順子さんと今年7月に秋谷陽一さんが、仙台地裁では今年3月に本田正幸さんが、それぞれ自身や家族のアスベストばく露の体験、健康被害の苦しみ、遺族としての悔しさを訴えました。
来年2025年3月3日(月)には、仙台地裁でお二人の遺族原告が法廷に立ちます。ぜひ多くの方の傍聴参加をお待ちしています。応援よろしくお願いします。
なお、首都圏アスベスト訴訟4陣の次回期日は、第10回:2025年1月21日(火)、第11回:2025年3月17日(月)を予定しています。
東北アスベスト訴訟は、3月3日(月)に1陣の遺族尋問の予定です。
事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)
お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。
事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)
お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。
委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)
母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。