The Construction-Asbestos Lawsuit News
5月30日、首都圏建設アスベスト訴訟(東京)第4陣第2回期日が、東京地裁(103号法廷)において開かれました。
この第4陣は2022年6月7日に全国一斉に提訴されたもので、アスベストセンターと東京労働安全衛生センターから会員の被災者8名が参加しています。
建設アスベスト訴訟の全国的な状況としては、東京高裁での首都圏アスベスト神奈川第1陣訴訟・差戻審で、5月19日に被告建材メーカーとしてはじめて(株)ノザワと生存原告4人(全員が左官業)との和解が成立しました。建材メーカーの和解は大阪で専属下請け1人が認められただけで、今回が初めての本格的和解です。
今回の第2回期日では、アスベストセンターから原告1名と事務局が、法廷に先立って行われた地裁前の集会から参加し、その後裁判を傍聴しました。
集会では、建設アスベスト訴訟全国統一本部、全建総連本部、アスベストセンターから挨拶があり、原告団を代表し戸根山仁志さんが早期の解決を訴え、弁護団から今日の法廷での意見陳述について説明がありました。
法廷では、原告弁護団よりDVD映像を活用した意見陳述が行われました。DVD映像の内容は、建設の各作業工程とそれにともなう石綿建材のばく露実態、石綿関連疾患の病理の概要、身体的被害、精神的な被害、家族の被害に関するものです。数十分にわたる映写の中でも特に、石綿肺の原告本人5名(映像撮影当時は生存、すでに亡くなられた原告もいます)が、室内のトイレに行くにも休憩を取らなければならない様子、自宅の階段を上がっただけで息が切れる様子、ひっきりなしに痰が絡みティッシュが手放せない様子など、過酷な闘病生活の実態が映し出され、その原告本人による「命あるうちの解決」という訴えには、胸を締め付けられるものがありました。
次回は、10月20日に第3回期日が予定されており、アスベストセンターの会員原告二人が意見陳述をおこなう予定です。
事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)
お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。
事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)
お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。
委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)
母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。