建設アスベスト訴訟ニュース号外
2022年6月7日

The Construction-Asbestos Lawsuit News

2022年6月7日
石綿建材メーカーを一斉提訴、全国で190人

2022年6月7日、原告190人(被害者数137人)がアスベスト建材メーカーに対し、全国10地裁(札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、京都、大阪、岡山、高松、福岡)において一斉に提訴しました。

アスベストセンターの会員からは、仙台と東京あわせて10人(被害者数7人)が原告となり提訴しています。

 

被告建材メーカー:

エーアンドエーマテリアル、エム・エム・ケイ、神島化学工業、大建工業、太平洋セメント、ニチアス、日鉄ケミカル&マテリアル、日東紡績、日本インシュレーション、ノザワ、バルカー(計11社・東北訴訟(仙台地裁)の場合)

建設アスベスト東北訴訟

提訴報告支援集会・原告代表の挨拶(東京)

アスベスト関連疾患を発症した建設業従事者や遺族は、2008年以降、国とアスベスト建材を製造・販売した建材メーカーの責任を追求する「建設アスベスト訴訟」を全国各地の裁判所に提起してきました。 2021年5月17日、最高裁は国および建材メーカーの責任を認める判決を下しました。

国は、屋外労働者の排除や国の責任期間が短いという問題を残しつつも、原告との和解や「建設アスベスト給付金」制度の創設などで救済を進めています。

一方、建材メーカーは、判決によって責任が認められたにも関わらず、継続中の訴訟でも自社の責任を争い、依然として和解に応じる姿勢を見せていません。建材メーカーは、最高裁判決を真摯に受け止め、自らの責任を認めて、訴訟の1日も早い解決に踏み出すべきです。そして、すべての建設アスベスト被害者を全面的に救済する制度への参加を決断すべきです。

建設アスベスト東北訴訟

仙台地裁に入廷する原告・弁護団(仙台)

建材メーカーの責任は、遅くとも国と同じ時期にアスベストの危険性を認識しがらも、利益追求を最優先にするばかりに、その危険性を建設現場の作業者に警告表示することなく、建設現場で多くのアスベスト被害者を発生させたことにあります。

仙台地裁で提訴した宮城県角田市在住の本田正幸さん(電気工)は、「アスベストにばく露して肺がんになった。今も息切れや痰が出て、再発の不安もある。アスベストはまだまだ身近にたくさん存在する。今も会社の後輩たちがアスベストの残る現場で工事をしていて、どんなに作業が合理化しても、改修工事でアスベスト建材に穴を開けたり切ったりする作業は今も残っている。後輩に肺がんが発生するのは許せない。建材メーカーは全てのアスベストを除去するくらいの責任を負うべきだ。」と話します。

 

アスベストセンターは、原告を含む被災者と弁護団とともに、被告の建材メーカーが責任を果たすまで、訴訟という形で責任を追求していきます。

医療・健康相談員の
ご紹介

事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)

お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。

尾形海子


事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)

お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。

田口正俊


委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)

母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。