The Construction-Asbestos Lawsuit News
7月3日、元労働者と遺族の計5人が、建材メーカー11社に計1億1440万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こしました。
東北では、2020年に第1陣・被災者7人(原告10人)、2022年には被災者6人(原告8人)が提訴しています。
今回提訴したのは、岩手・宮城・山形・福島の元大工と元配管工の被災者2人、元大工と元板金・保温工の遺族3人になります。そのうち山形在住の元大工の遺族は、アスベストセンターの会員の方です。今回の第3陣で、建設アスベスト訴訟における東北(仙台地裁へ提訴)の原告数は、23人となりました。東北訴訟の第1陣・2陣は、本年9月以降に口頭弁論(公開法廷)が予定されています。
建設アスベスト訴訟の全国的な状況としては、2023年6月30日の関西建設アスベスト大阪2陣・3陣訴訟で、大阪地裁(石丸将利裁判長)は過去最多である被告建材メーカー12社(エーアンドエーマテリアル、ニチアス、ノザワ、エム・エム・ケイ、日鉄ケミカル&マテリアル、太平洋セメント、大建工業、日東紡績、パナソニック、神島化学、日本インシュレーション、積水化学)の責任を認め、損害賠償額も従来の判決より大きく引き上げました。
判決理由で石丸裁判長は、メーカーは少なくとも1974年には「石綿粉塵(ふんじん)を浴びることで発病の危険性や回避手段を警告すべき義務があった」と指摘する一方、屋外の作業や建物の解体に従事していた人については、メーカーの責任を認めませんでした。
屋外作業や建物解体を除外した判決について、関西建設アスベスト大阪訴訟原告団・弁護団は、
『請求が棄却された被害者らも、石綿建材の危険性について知らされないまま、建設現場で石綿粉じんにばく露した事実に変わりはない。裁判所には、被害者救済や公平の見地から、建設アスベスト訴訟の特質に即した判断が求められるところ、本判決はこれらを十分に考慮しているとはいえない。』との声明を出しています。
上記訴訟で賠償責任を認められた被告建材メーカー12社は、一部を除き未だに争う姿勢を崩していません。被害の実態を直視し、速やかに賠償に応じるべきです。また、私たちは、認定から排除された屋外工や解体工に対する損害賠償責任の追及を継続して行っていきます。
事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)
お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。
事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)
お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。
委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)
母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。