建設アスベスト訴訟ニュースNo.2
2020年10月22日号

The Construction-Asbestos Lawsuit News

中皮腫・じん肺・アスベストセンターと東京労働安全衛生センター共催で国や企業への損害賠償請求に関する第2回無料法律相談会を11月15日(日)におこないます

10月22日「建設アスベスト訴訟」最高裁弁論がありました
最高裁判決は「後って指定」・決定次第お知らせします

最高裁判決が出されると、国等が損害賠償の支払いに応じるための要件がおおむね明確になり、建設業で働き、石綿肺・中皮腫・石綿肺がん・びまん性胸膜肥厚等で 労災認定されている方は国や建材メーカーに対して損害賠償請求がしやすくなる可能性があります。

  • 訴訟には労働基準監督署の「復命書」などが必要です。
  • ご遺族は遺産相続の手続き等が必要になります。

アスベストセンターの会員の皆様、東京労働安全衛生センター相談者の皆様が、 難しいと感じる証拠収集や事務手続きは、アスベストセンターを支援する弁護士や、 アスベストセンター・東京労働安全衛生センターの専門職員が、患者さんやご家族に代わって行います。


弁護士とアスベストセンター・東京労働安全衛生センターの専門職員による無料の法律相談会のお知らせ

日時: 2020年11月15日(日)13時より
会場: 江東区亀戸・アスベストセンター・東京労働安全衛生センター4階会議室

  • 相談会日以外でも、ご相談は、来所・電話・メール・対面でも受付けています。
  • いずれの方法でも相談料は無料です。

お問合せ先
電話:
080-8217-5022 (アスベストセンター担当:尾形・田口)
03-3683-9765 (東京安全センター担当:飯田)
FAX:
03-3683-9766 (二団体共通)
メール:
info@asbestos-center.jp (アスベストセンター)
center02@toshc.org(東京労働安全衛生センター)

第1回相談会(アスベストセンター主催)は7名の会員が参加されました!


最高裁の建設アスベスト訴訟への対応 2020年9月末でわかること

建設アスベスト訴訟に長年携わってきた弁護士さんに、この半年の最高裁の対応に ついて伺った話を、わかりやすくお伝えします。

アスベストセンター事務局

高等裁判所(以下高裁)の判決を最高裁で争うことを上告と言い、現在最高裁第一小法 廷に、東京高裁(神奈川第一陣)、東京高裁(東京第一陣)、大阪高裁(京都)、大阪高 裁(大阪)の四裁判が上告されています。また第二小法廷には福岡高裁(九州第一陣)が 上告されています。建設アスベスト訴訟の論点はいくつかありますが、国の労働者への責 任は共通的に認められています。高裁間で判断が分かれているのは、一人親方への国の責 任を認めるか否か、石綿製造企業の責任を認めるか否かが大きな二点とされています。最高裁は統一的な見解をほぼ決めて、全原告が何にあてはまるか現在確認中ではないかと推定されています。

最高裁判所は高裁判決を一部変更する場合は、一般的には判決日の約ひと月前に弁論を 開催し、判決内容は一切示唆せず約一月後の最高裁の判決日が伝えられます。しかし本件 は、判断を共通化する必要がある4件の裁判があり訴訟人数が多いという特殊性があるため、判決日が数か月後になることもあり得るということです。東京高裁(横浜第一陣)の 弁論日が2020年10月22日に入っていますから、10月22日に最高裁判決日が伝えられると予想されます。東京高裁(東京第一陣)は石綿製造業の責任が認められてはいませんが、原告数が多い訴訟なので確認に時間がかかっているのではないかとも推測されています。

大阪高裁(京都)、大阪高裁(大阪)の二裁判は、一人親方への国責任も、石綿製造企 業への責任も認められており、原告数も三十名前後の訴訟ですので判決の準備は進んでい ると思われます。この二裁判の判決を大きく変更するなら弁論日が検討されるでしょう。 仮に大阪高裁の二裁判に沿う最高裁判決となるなら「上告棄却」ということもあり得ない ではなく、その判決は近いかもしれないと思われます。

10月22日までに他の裁判の弁論追加があるのかどうか? 10月22日に最高裁判決日が 2020年内か、2020年度内か? 最終局面が近づいています。

10月22日速報

本日開かれた最高裁弁論(最高裁第一小法廷/神奈川第1陣)では、最高裁判決日について「後って指定」となりました。判決日がわかり次第、皆さんにお知らせします。

医療・健康相談員の
ご紹介

事務局次長
尾形 海子(おがた ひろこ)

お困りのこと、ぜひご相談ください。「医療機関からCTやレントゲン写真を借りたいが、借り方がわからない」ときや「監督署へ相談に行きたいが、どう説明したら良いかわからない」ときなど、現場で皆さんのお手伝いができればと思っています。

尾形海子


事務局次長
田口 正俊(たぐち まさとし)

お一人で悩まずに、ぜひご相談ください。以前、建設業の労働組合におりましたので、特に技能者や一人親方の方、ご自分の働いた履歴や元請の証明、労働者性があるかどうかなど、お困りの時にご支援できたらと思っております。

田口正俊


委託職員
斎藤 洋太郎(さいとう ようたろう)

母と妻が、労災患者です(脳卒中と脊髄損傷)。趣味は、日本を含む東亜の文化です。被害者・家族の人権を守りましょう。