中皮細胞から発生する悪性腫瘍を「中皮腫」といいます。発生する場所で、胸膜中皮腫、心膜中皮腫、腹膜中皮腫、精巣漿膜中皮腫と呼びます（図２）。以前中皮腫には悪性と良性があると説明されてきましたが、病理の分類の変更で、中皮腫といえば悪性腫瘍を意味します。良性腫瘍の胸膜中皮腫と呼ばれたものはSFT（Solitary Fibrous Tumomur）・孤在性線維性腫瘍（こざいせいせんいせいしゅよう）」と名称され、中皮腫には含まれません。発生部位は1983年ヒラーダル氏の4710例のまとめの頻度では、胸膜中皮腫88.6%、腹膜中皮腫9.6％、胸腹膜中皮腫0.6%、心膜中皮腫0.7％、精巣漿膜中皮腫0.2%（石綿ばく露と石綿関連疾患　基礎知識と補償・救済､p112、）とされています。

（本項目の文章は2018年8月段階の内容です。2018年9月以降の変化は反映していない場合がある点ご了承ください。）