9. 医療関係者の方へ

What is Pleural Plaque?

剖検結果報告書での石綿関連所見の留意点として、原発性肺癌所見と其の他臓器は 病理学会等が求める内容と同一です。

  1. 石綿肺所見としては、呼吸細気管支周囲の繊維化が一定程度あるならば、以下の石綿肺のグレードを記載することが多いと思います。

    GRADE1:少なくとも一個の呼吸細気管支周囲に繊維化を見る、これに隣接する肺胞壁に繊維性肥厚があってもなくてもよい。

    GRADE2:GRADE1に加えて、隣接する2列目以遠の肺胞壁に繊維性肥厚があり、隣在する細気管支との間に、繊維性肥厚のない肺胞が存在する。

    GRADE3:GRADE2に加えて、隣在する細気管支との間の肺実質の繊維化が連則してしまい、時に肺胞腔が消失する。

    GRADE4:GRADE3に加えて、幅1cmまでの烈隙が生じる(蜂窩肺)

    参考文献 1982年。Craighead JE、The pathology of asbestos associated diseases of the lung and pleural cavities : Diagnostic criteria and proposed grading schema, Arch Pathol Lab Med 106: 544-596

  2. 胸膜プラークの病理(解剖)検査結果報告書 記載例

    「右前側胸壁に胸膜プラーク(肥厚斑)を認め(写真A参照)、右傍脊椎部に胸膜プラーク(肥厚斑)を認め(写真B参照)、左前胸部に胸膜プラーク(肥厚斑)を認めた(写真C参照)。なおHEでも胸膜プラーク部には膠原繊維が認められ(写真D参照)、肺がんの胸膜浸潤像ではなかった。」

    時に胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)がない場合は、確認の意味で壁側胸膜と、横隔膜の写真撮影は必ず行いましょう。その結果、「右壁側胸膜(写真AとB)と横隔膜の写真(CとD)の様に胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)は認められなかった。」旨記載をお願い致します。

(本項目の文章は2018年11月段階の内容です。2018年12月以降の変化は反映していない場合がある点ご了承ください。)