4. 胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)の検査

What is Pleural Plaque?

胸膜プラークの診断は、胸部エックス線写真、胸部CT写真、胸腔鏡下の写真撮影、解剖時の肉眼チェックおよび写真撮影、病理標本により行われます。

炎症性(肺結核、結核性胸膜炎、細菌やウイルスによる胸膜炎、等)の「胸膜肥厚」は、連続的で壁側胸膜と臓側胸膜間の病変であるのに対し、胸膜プラーク(肥厚斑)は、壁側胸膜直下が発症部位で、形は台形状(クッション様=cushion-like)をしています。胸膜プラークは、アスベストが主に原因の特徴的性変化とされています。

図3 明らかな典型的胸膜プラーク わずかな胸膜プラーク

胸膜プラーク 胸膜肥厚斑 台形状 典型的 わずかな胸膜プラーク

写真1(左):典型的胸膜プラーク・肥厚斑
写真2(右):わずかな胸膜プラーク(刷毛様、CT見えず胸腔鏡で確認写真撮影)

典型的な胸膜プラーク(胸膜肥厚斑) わずかだが胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)

形状は斑状(まだら)に膠原繊維が増生して盛り上がる異常な部位と正常な部分が混在することが特徴です。肉眼的な色は表面に光沢のある白から薄いクリームで、画像ではクッション状にみえ刷毛で掃いたような薄いものから10㎜までの厚さのものまであります1)

胸部エックス線写真で胸膜プラークのある場合、所見は経年的に厚く、大きく、石灰化していきます2)。名取等の検討では、胸部CTで胸膜プラークが66~80歳で初めて認められ70台での胸部CT写真撮影の必要が報告されています。石綿ばく露を受けた集団は退職から永眠までの期間の健診体制」を要し胸部X線CT写真を併用し観察する意義が確認されました2)

(本項目の文章は2018年11月段階の内容です。2018年12月以降の変化は反映していない場合がある点ご了承ください。)