What is Pleural Plaque?
胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)は、壁側胸膜の外側に生じた膠原繊維(コラーゲン)が増生した良性疾患で、アスベスト(石綿)ばく露の良い指標であり、アスベスト特有の変化であることが特徴です。1)
形状は斑状(まだら)に膠原繊維が増生して盛り上がる異常な部位と正常な部分が混在することが特徴です。肉眼的な色は表面に光沢のある白から薄いクリームで、画像ではクッション状にみえ刷毛で掃いたような薄いものから10㎜までの厚さのものまであります1)。
胸膜プラークは10年単位で徐々に肥厚する変化で、最初は肉眼で見えず次いで金箔同様に0.005mm前後の厚さで肉眼で確認され2)、次に3mm単位となると胸部エックス線写真で確認できます。心臓、横隔膜の下部、肋骨裏等の部位の読影には胸部CT写真が有効です2)。
1982年Epler等は、1135名の胸部エックス線写真の検討3)で、石綿ばく露から10年以内で胸膜プラークは出現せず20年経過時点で全員の10%以内に出現しました。40年後胸膜プラークの出現率は50%以上で、吸入から胸膜プラーク出現までの中央値は33年でした3)。
名取等は造船所の退職労働者の石綿関連疾患の健康管理を27年間行い、初診時の胸部エックス線写真で胸膜プラークを認めなかった者が徐々に胸膜プラークを認め、徐々に肥厚し、石灰化する経過を報告しています2)。
(本項目の文章は2018年11月段階の内容です。2018年12月以降の変化は反映していない場合がある点ご了承ください。)