5. アスベスト肺がんの労災認定 胸膜プラークの診断が大切な理由

What is Pleural Plaque?

 石綿肺がん 労災事案の胸膜プラークによる認定率

仕事でアスベスト作業に関わり、肺がんを発症した場合は、労災保険(労働者災害補償保険)で補償される場合があります。

労災保険では、アスベストによる肺がんとして認定するための基準を設けており、胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)所見は、アスベスト(石綿)ばく露の良い指標であり、アスベスト特有の変化であることから、医学的な認定要件の一つになっています。

2006年2月から2010年11月までの期間、労災保険で給付決定された肺がん事案2,475件のうち、胸膜プラーク所見があり(一部石綿肺あり)、石綿ばく露作業従事期間10年以上(高濃度ばく露は石綿ばくろ期間1年)で認定された事案は2060件。

決定事案全体の83.2%を占めています。

つまり、肺がんの原因が仕事でのアスベストばく露だったのではないかと考えたとき、胸膜プラーク所見の有無をしっかり診断・確認することが、その後の労災申請などの補償手続きを行う上で、とても大切なのです。

(本項目の文章は2018年11月段階の内容です。2018年12月以降の変化は反映していない場合がある点ご了承ください。)