Lecture by Dr Natori 2005
石綿の環境ばく露について説明します(51)(52)。工場や鉱山の周囲に起きる訳ですが、最初は尼崎のクボタの場合です。
黒丸のクボタの工場は尼崎駅近くで、周囲には大きな工場や小中学校がありました(53)。1950〜1970年代頃に環境曝露を起こしたようでして、1980年台後半から現在に到るまで、主に40才以降の方に約40年間の潜伏期で石綿関連疾患の発症が起きていたようです。
周辺地域に中皮腫が多発した事を示す奈良医大の車谷先生の2005年8月のデータです(54)。この調査は現在継続中だそうで、今後より詳しい結果がでる事と思います。
今後の石綿の問題の中心は、改築・解体時の飛散ですが、その典型的事例が1999年文京区の保育園でおきました。
この保育園では0歳の待機児童がいたため、文京区は0歳児の部屋の面積を増やそうとして、間仕切りの位置を変更しようとしました(55)。天井内には吹き付け石綿がありボードで囲い込みをされていました。1980年代に、この保育園のボイラー室自体が、石綿対策の上で吹きつけ石綿除去工事をされていた保育園です。