Activities in 2014
このページには、アスベストセンターが過去に実施したイベントの告知ページなどを保存しています。これから開催されるイベントではないのでご注意ください。
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茨城県の皆様、埼玉県の皆様、初めまして。
私たち、アスベストセンターは、この5月から、患者さんの団体と協力して水戸およびさいたま市内で集いと労災相談会を毎月開くことに致しました。さらに、ほぼ隔月でアスベストに詳しい医師による医療相談も行なう予定です。
今、肺がんや悪性中皮腫で治療中の方はもちろん、もしかすると自分の肺がんはアスベストが原因ではないかと気になっている方は、ぜひおいで下さい。
水戸の会場は、偕楽園のすぐそばです。観光のついでにお寄り下さい。さいたまの会場は、さいたま新都心近くです。
水戸とさいたまで集いを開くことになった理由はこちらをごらんください。
中皮腫・じん肺・アスベストセンターは、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会と共催で、東京神田如水会館にて10周年記念行事を開催しました。私たちは、「石綿の現場からの挑戦 総合的なアスベスト対策をめざした日々 中皮腫・じん肺・アスベストセンター 10年史」を発行、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会は10周年記念誌「明日をつなぐ出会い アスベスト被害 声を上げた患者と家族10年の歩み」を発行しました。書籍と当日の写真は、こちらのページもご参照ください。
中皮腫・じん肺・アスベストセンター東北のHPを開設しました。東北地域にお住いの方で、アスベストによる病気や震災などによるアスベスト飛散でお困りの方、ぜひご相談ください。
必要に応じて、相談員が現地の病院・監督署・ご自宅などへ伺い、対応します。詳しくはこちらをご覧ください。
亀戸事務所4階にて、18時から第12回中皮腫・じん肺・アスベストセンター総会を開催しました。 なお、総会での決定事項はこちらをご覧下さい。
― 石綿含有ボード等石綿則レベル3建材が加工される場(人口急増地区で新築工事が繰り返し続き)から10~数十メートルのところに1年間以上滞在し、毎日の掃除で石綿ばく露が追加された方の中皮腫 業務上認定 ―
2014年3月、北海道苫小牧市の市立小学校の教員の胸膜中皮腫が、地方公務員災害基金で業務上と認定されました。小学校教員の中皮腫の業務上認定は、滋賀県の小学校教員に次いで全国で2例目です。
A氏は苫小牧市立の数小学校に勤務され、子供好きでスケートの指導にあたっていました。苫小牧市は1950年代から1970年代に工業の発展と共に人口が急増し、戦前数校だった小学校は子供の増加に追いつつかず増築し、1校の人数が千名を超すと新規校増設による分校を繰り返してきた経緯があります。私たちの詳しい調査の結果、A先生が中皮腫になられる10年以上前に勤務されていた数小学校に吹付け石綿はありませんでした。一方校舎内の増築が繰り返され石綿含有建材が切断加工される十~数十メートルの教室でA先生は授業をし、生徒と共に校舎の掃除を熱心にされたことが判明しました(事案の詳細はこちらのページ参照)。
2014年段階で、小中高等学校教職員の中皮腫の業務上認定はまだ容易ではありません。過去に私たちがご相談をうけた、大学教職員4名(国立文系教員1名、公立理系教員1名、私立理系教員1名、私立文系職員1名)は、全員公務災害・労災認定されました。しかし小中高等学校の教員4名の相談では、今回が初めての公務災害認定です。
認定させる為には、綿密な調査が必要です。具体的には、その他の原因を確実に否定すること、学校の詳細な調査が不可欠です。その他の原因の否定には、居住地の石綿ばく露、父母等からの家族石綿ばく露、過去に住んでいたすべての建物からの石綿ばく露を十分否定する専門的な調査が必要なのです。労災制度では専門性の高い担当官と職業性呼吸器疾患に明るい診査制度がありますが、地方公務員災害基金の審査体制は十分とはいえません。今後の充実が望まれます。
教職員の業務上認定は、大阪の高校理科教員の認定もあり2014年変化の時期を迎えています。認定の前例の増加により、今後は民間教職員の労災認定、地方公務員の公務上認定が徐々に容易となり増加していくと思われます。過去に石綿健康被害救済法の申請にとどめた方も、是非業務上申請のご相談を行っていただきたいと思います。
一方2014年段階では、小中高等学校の教職員の中皮腫等の石綿関連疾患の業務上申請は、教職員とご家族のみで行うと業務外となる場合も想定される時期です。公務災害、業務上認定経験のある団体へのご相談をお勧めします。中皮腫・じん肺・アスベストセンターでは、教員の場合原則的にご相談を複数の担当者でのプロジェクトチームを組み、医師・研究者との協力のもと年単位の調査後意見書をまとめながら、労災申請・公務災害申請の支援を行っています。
石綿関連 講演会 & 健康相談
2014(平成26)年6月8日(日曜日) 13時30分~15時
講演1「中皮腫の免疫療法、遺伝子治療、分子標的治療 」
稲瀬直彦 医師(東京医科歯科大学 呼吸器内科教授)
13時30分~14時10分
講演2「最新の石綿関連疾患国際会議報告 ヘルシンキ会議」
名取雄司 医師(ひらの亀戸ひまわり診療所 呼吸器内科)
15時~ 石綿関連疾患 健康相談
(お一人30分、名取医師、患者と家族の会スタッフ等)
場所: 江東区亀戸7-10-1 Zビル 4階会議室
主催: 中皮腫・じん肺・アスベストセンター
中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会・関東支部
共催: 医療法人社団 ひらの亀戸ひまわり診療所
会費: 無料
石綿関連健康相談をご希望の方は、事前にアスベストセンターに、お申し込みください。
(電話 03-5627-6007) メール(info@asbestos-center.jp)
来る5月25日、全水道会館にて「アスベスト対策のいま-大気汚染防止法改正と自治体の役割」緊急シンポジュウムを開催します。くわしくはこちらのチラシ をごらんください。
2003年に生前のご本人から、ひまわり診療所(当センター所長)の名取雄司が中皮腫の原因の調査依頼をうけて10年余たりました。本人からのヒアリング、数回以上の現地・居住地・生育地の訪問、再現実験と粉じん測定、研究発表、ご本人の永眠。損害賠償については、ご遺族が2006年6月大阪地裁に提訴され2009年8月一審勝訴、2010年3月大阪高裁勝訴、2013年4月最高裁で大阪高裁へ差戻し、2014年2月大阪高裁で再び勝訴判決、2014年3月被告上告せず、勝訴判決が確定しました。建物の吹き付け石綿を巡って、医学的判断とともに日本の司法的救済の一定基準ができました。判決には、責任の時期等不十分な内容もあるのですが、大変感慨深いものがあります。(大阪高裁判決についてはご担当された位田弁護士ファイルをご参照ください)。
原因不明とされる中皮腫の数分の1の方は、建物由来の吹付け石綿が原因とは気づかず、石綿健康被害救済法による環境再生保全機構の手続きのみで十分な調査をしないままです。その中に労災申請の可能な方も実はたくさんいます。文具店の店長のように中皮腫の方が社長・事業主で労災保険の特別加入を行なっていない場合は労災申請ができません。しかし文具店店長とご家族はあきらめず詳しい医師に相談し十分な調査後、建物所有者への司法による救済をもとめました。当センターの運営委員で問題に詳しい弁護士が訴訟にあたり、今回ご遺族には一定の補償と慰謝料が支払われました。中皮腫発症の原因となった建物の吹付け石綿。中皮腫発症の原因を放置したまま被害を引き起こした所有者・占有者の責任は今後問題となるでしょう。ご本人とご家族、協力者の粘りと成果を感じます。
中皮腫で原因不明と思われた方は、当センターHP「中皮腫で石綿との接点が見つからないと思われている方」を是非ご覧ください。そしてあきらめず、電話相談をしてください。中皮腫の場合、経験豊富な私たちのような団体でないと、皆さんを応援できないケースがまだ残っている実情もあります。建物由来の中皮腫と思われる方、吹付け石綿が原因で労災になり訴訟を検討されている方、建物関連に詳しい当センター関連の弁護士も応援します。是非ご相談ください。
環境と震災のページが、数年ぶりに大幅に拡充して更新いたしました。今年中に更に更新していきますので、是非ご覧ください。
私たちは2014年も、全国の被災者の方々からの電話相談、関東や東北への出張相談、患者と家族の会の事務局活動、未来の命を救うアスベストの環境飛散の予防、調査・研究、法律プロジェクト、10周年記念行事、等の活動に邁進してまいります。皆様のご支援をよろしく申し上げます。