Activities in 2007
このページには、アスベストセンターが過去に実施したイベントの告知ページなどを保存しています。これから開催されるイベントではないのでご注意ください。
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13時〜16時 会場:東京ガーデンパレス 参加対象:市民・医療関係者
センター運営委員の秋山正子氏、所長の名取雄司も演者で参加し,盛況でした。詳しくはPDFファイルをご覧ください。 主催は順天堂大学です。
12月4日参議院厚生労働委員会で民主党足立信也議員の質問に対し、舛添厚生労働大臣は「2008年春までに、事業所名を開示する」と回答しました。回答を踏まえ中皮腫・じん肺・アスベストセンターは、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会と全国安全センター連絡会議と連名で、公開の際に注意して頂きたい7点を要望書にまとめ、12月5日(水)厚生労働省に提出しました。詳しくはPDFファイルをご覧ください。
平成17年7、8月に厚生労働省労働基準局労災補償部労災補償課は、1)周辺住民の方への適切な情報提供 2)過去に勤務していた方への情報提供 3)自治体にとり適切な健康対策を立てるための情報提供、を理由に中皮腫や肺癌で平成16年以前に認定された方の事業場の情報公開を実施しました。中皮腫や胸膜肥厚斑の原因がわからなかった住民、過去に勤務した中皮腫・肺癌の方が原因に気づき、2年間で3365人の方が労災補償を受けられました。しかし平成18年になり厚生労働省は平成17・18年度に判明した中皮腫・肺がんの労災認定事業所の公開を控えます。厚生労働省のこの間の情報非開示を受け、中皮腫・じん肺・アスベストセンター運営委員が中心となり、平成19年4月から47都道府県労働局に「中皮腫・肺がんの労災認定事案」の情報公開を求めました。資料の多くは墨塗りで開示されているため、一部しか知りえませんが、参考資料の様に重要な情報が得られてきました。
(1) 厚生労働省「石綿ばく露歴の把握のための手引き」作成委員でも今まで知らなかった産業(製紙、印刷、家具製造、航空機製造、新聞出版、医療保健、金融等の)や個別業種が極めて多いこと。(Excelファイル 平成16年以前との比較表 参照)
(2) 被害は文献的に知られているが、平成16年以前は労災認定が少なく情報公開がないため、多くの国民が知らずにいた産業(製鉄、化学、鉄道車両製造、自動車製造等)が多く、認定者数が10名以上の事業所も多発しており、過去の作業者への情報伝達と共に周辺住民への情報開示が必要なこと。(Excelファイル 署別業種別内訳資料 参照)
(3) 過去の被害は既に知られていた、石綿製造、造船、建築業等の中には、一事業所で10名単位での中皮腫や肺がんの認定が明らかとなり、事実自体が自治体の今後の健康対策として重要な情報であり、公衆衛生的観点から痛切な被害であること。
以上が明らかになりましたが、本当に知りたい石綿作業製品や曝露形態の情報は全く開示されていません。
労災認定を受けられた方
作業や石綿製品等の情報を全国で知らずにいる他の方のために、是非私たちにもご報告ください。
あなたと同じ作業や産業ではたらいていても、石綿製品の十分な情報がない、周囲で中皮腫や胸膜肥厚斑や肺癌の方がまだ発症しておらず、仕事との関連が不明でいる方が全国にはたくさんいらっしゃいます。あなたやご家族が過去にされた石綿作業や石綿製品等の情報を、全国で知らずにいる他の方のために、是非お知らせください。電話、手紙、FAX、メールで結構です。
連絡先
中皮腫・じん肺・アスベストセンター
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5F
TEL: 03-5627-6007 FAX: 03-3683-9766
E-mail: info@asbestos-center.jp
関西労働者安全センター
〒540-0026 大阪市中央区内本町1-2-13 ばんらいビル602
TEL:06-6943-1527 FAX: 06-6942-0278
E-mail: koshc2000@yahoo.co.jp
41年間表具工として従事し平成15年に胸膜中皮腫で亡くなられた札幌市在住の56才の男性のご家族は、労災申請をしたところ2004年に不支給となりました。ご遺族の相談で当センターと遺族代理人の東京安全センター内田正子氏の調査の結果、「石綿曝露作業はなかったとの同僚証言も不支給の一因だが、稀に使用する火気用クロスに石綿含有製品があった事が同僚に知らされず、他職種による石綿含有建材の切断加工が周囲であったが2003年時点では石綿含有と思わず吸入すると考えなかった事」が判明しました。北海道局の審査請求棄却をうけ2005年3月に厚生労働省労働保険審査会に再審査請求し、曝露作業の十分な意見聴取を申し入れた結果、本年11月16日に労働保険審査会は業務外決定を取り消す裁決を行いました。最盛期3000種類とされた石綿製品全体を網羅する調査は、現在も十分には実施されておらず、まだ知られていない石綿製品や産業もあるのが実情です。作業者本人への石綿製品の情報の伝達不足が今なおあり、今後の健康被害の拡大が懸念されます。少なくとも平成17年、平成18年の中皮腫・肺がん認定事業所名・作業情報の公開により、色々な職種と産業の情報が多くの人に十分知られ、今回の様なことが繰り返されない事が重要です。詳しくお知りになりたい方は、PDFファイルをご参照ください。
埼玉県在住者の方の相談とご要請をうけて、講演・相談会を開催致しました。
日付:12月1日(土)
場所:埼玉県労働会館(北浦和駅下車) さいたま市浦和区常磐9-24-13
講演会:13:30〜14:30 講演「埼玉県のアスベスト健康被害」(予定) 名取雄司(呼吸器内科医)
疾患相談会:14:30〜17:00 担当 名取雄司当センター所長(呼吸器内科医)他相談員
すべてのアスベスト被害者・家族に公正・平等な補償を求める 11.23〜24国際アスベスト会議が開催され、海外から複数のゲストと共に380名の参加で盛会で終了しました。20年の長さを感じさせる20周年記念総会も同時に開催されました。詳しくは以下をご覧ください。
http://park3.wakwak.com/~banjan/kokusaikaigi.html
場所:パシフィコ横浜アネックスホール 主催:石綿対策全国連絡会議
埼玉県在住者の方の相談とご要請をうけて、7月から9月に3回の講演・相談会を開催しました。様々な相談者の方がいらしたため、今後も継続して開催する事になりました。
7月21日(土)場所:さいたま市民会館おおみや
講演「尼崎のアスベスト公害」片岡明彦(関西労働者安全センター)
疾患相談会:担当 名取雄司当センター所長(呼吸器内科医)他相談員
8月18日(土)場所:さいたま市宇宙劇場5階
講演「横浜のアスベスト公害」西田隆重専務理事(神奈川労災職業病センター)
疾患相談会:
9月22日(土)場所:埼玉県労働会館
講演「アスベスト被害の広がり」名取雄司(同)
疾患相談会:他相談員
東京渋谷・環境パートナーシップオフィスにて、午後1:30〜4:00、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議・アスベストプロジェクトブックレット記念シンポジウムが開催されました(PDF参照) 。記念講演で、プロジェクト座長の中地氏の講演の後に、「アスベストの健康影響と今後の課題」として当センターの名取の講演も行われました。ブックレット(PDF参照) も是非お買い求めください
日本がん予防大会IN TOKYO 2007の市民公開シンポジウムが、千代田区一ツ橋の学術総合センターで同日16時15分〜18時15分で開催されました。「環境発癌の温故創新」を樋野興夫順天堂教授、「アスベスト・中皮腫について」を村山武彦早稲田大学教授、が講演されました(詳細はPDFファイル をご参照ください)。
第5回総会が、墨田産業会館(錦糸町駅前)で開催され、1号議案「2006年度活動報告」2号議案「2006年度決算」3号議案「2007年度活動方針」4号議案「2007年度予算」5号議案「2007年度役員体制」が承認されました。
引き続き中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会総会が開催、その後両総会記念講演「アスベスト複合災害をどう解決するかー日本の公害の教訓からー」(宮本憲一先生)が行われました。
胸膜中皮腫の治療薬である、アリムタ(Pemetrexed)の早期承認および早期保険収載は、日本の胸膜中皮腫患者にとって悲願でした。効果や副作用には国民で差があるので、国内試験を実施することは当然ですが、諸外国で使用されている効果のある薬物を極力短期間で治験を実施し短期間の審査と保険収載が、他に有効な治療法が少ない胸膜中皮腫患者の願いであったのです。
私たちは、2003年からアリムタの早期治験、早期審査、早期承認、早期保険収載を訴えて参りました。H19(2007)年1月19日に保険収載が認められたことを、本当にうれしく思います。多くの関係者のご努力、ご尽力に感謝申し上げます。
今後、日本の医療機関で中皮腫患者に、アリムタ(Pemetrexed)が使用されていくと思います。ただひとつ注意して頂きたいのは、この薬の治験中に肺炎が悪化して永眠された方がいる事です。あらかじめCT写真等で肺の状態をチェックした上での慎重な使用が必要とされております。使用開始当初は、抗がん剤使用に慣れた病院、CTでの胸部レントゲン写真読影に慣れた病院での治療が望まれます。
中皮腫に有効な薬を、私たちは慎重かつ、暖かく見守っていきたいと考えています。「中皮腫患者に期待の新薬」といった「見出し」が躍った数ヵ月後に、「新薬で副作用死亡○名」という記事が報道される事がないように、効果だけでなく適正使用を促すような報道を是非よろしくお願い申し上げます。
中皮腫・じん肺・アスベストセンター所長 名取雄司
2006年は、2月の中皮腫の労災認定規準改正により、多くの被災者が補償を受けられる様になりました。また環境や家族曝露の中皮腫の方に、「石綿による健康障害被災者の救済に関する法律」ができ、何の補償もなかった時代は少なくともなくなりました。しかし法律の問題は数多く、中皮腫の2倍以上はあるとされる肺癌の認定規準は厳しいままで、認定されにくい状態が続いています。石綿の総合的対策は、関連諸氏の努力はあるものの、国レベルで十分かつ総合的な対策は行われていません。
2006年建物内の石綿濃度の検討では、国土交通省の建築分科会アスベスト部会に名取が委員となり、平成17年度科学技術振興調整費による文部科学省から「アスベストによる健康障害対策に関する緊急調査研究(建築物室内のアスベストの濃度指標の検討)」<日本建築センターが受託>で、名取・外山・永倉が委員として参加しました。その報告書<報告書 、別冊 >、特に別冊には貴重な内容もありますので是非ご一読ください。
2006年11月、厚生労働省は「石綿ばく露把握のための手引き」をHP に掲載しました。石綿の職業性ばく露やその他のばく露及び文献、労災認定事例等を把握する内容として現状で最も詳しい内容と思います。飯田・名取が委員として参加致しましたが、石綿関連の相談・健診に携わられている方が、お手元にお備え頂ける様に、当HPからもダウンロードできるように致しました。<手引き >
2007年も、石綿飛散の予防と、様々な石綿被災者のために、がんばって参ります。昨年同様に皆さんのご協力とご支援を、よろしくお願い致します。
\中皮腫・じん肺・アスベストセンター