第2部 講演「吹き付け石綿除去工事 現在必要な方法と課題」

Symposium Summer 2006

司会:第2部に移ります。厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質情報管理官の和田訓氏のご講演をいただきたいと思います。

和田:私からは、「吹き付け石綿除去工事 現在必要な方法」というタイトルですが、石綿障害予防規則の制定の主旨や内容について説明するとともに、現在、厚生労働省で検討を進めている石綿製品の全面禁止に係る政令改正や石綿障害予防規則の改正の内容について説明します。なお、石綿則については、昨年7月に施行されたところですが、今回、必要な改正を考えているものです。

 これは、石綿にさらされる業務による肺がん・中皮腫労災認定者数の推移です。平成16年度は186件であったのに対し、平成17年度は722件となっています。

 これは、アスベストの日本への輸入量を示したものです。

 これは、石綿スレートのアスベスト排出量を推定したグラフです。2040年頃はスレートのアスベストの排出量がピークを迎えます。

 石綿については近年、輸入は大幅に減少し、また、石綿を含有する(1)〜(5)の建材、(6)〜(9)の摩擦材、(10)の接着剤は、平成16年10月から製造等が禁止となっています。

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