当社の考える適切な石綿除去工事と不適切な除去工事

Symposium Summer 2006

当社の考える適切な石綿除去工事と不適切な除去工事(2/3)

 次に現場はいつも問題なく進むわけではありません。停電すると負圧機が止まってしまい、場内も真っ暗になる。その時実際どういう手順で処理するのか。私たちは、作業を中止し手作業で塗布後現場の前室を閉じ、負圧を確認します。

 例えば、今年工事説明会等々開かれます。その際もし質問をするのであれば、緊急時の対応はどう考えていますか、と聞いていただきたい。それに答えられない業者は、推して知るべしと考えてよいと思います。

 夜間の対応は、実は大変難しい問題です。仕事が終わって夜間どうするか。理想的には24時間負圧機を回す。しかしいろいろな条件でそうはいかない。したがって作業終了時には、この3つのことをきちっと実施して作業上を閉鎖する。これが、現実的に仕事がわかっている人たちと、そうでない人たちで大きく差がつくと思います。

 実際本日の皆さんは色々ご存知ですから、正しい除去工事の実施の仕方はどういうものかについてはさっと進めます。まず看板類を設置しなくてはいけません。これは定められた通りのものを、その通りやります。

 これが意外と実はおざなりになっているのですが、特に劣化等条件の悪いところには長年ぽろぽろ落ちているアスベストが床にあります。事前にしっかりした清掃が行われなければなりません。

 これが養生の仕方です。まず床を養生します。床から壁に30センチは最低立ち上げます。袋状にします。両面テープ等を使いまして、完全に固定したところへ、壁の養生を行います。床は0.15ミリ以上で2重にする。壁を0.08以上のもので1重にする。ただしポイントとしては、たるみを作らないようにしっかりとした張りをしましょう、というようなことが密閉養生の正しい方法です。

 作業条件が必ずしもいい現場ばかりではありません。こういう大変な状況で養生をせざるを得ない場合があります。

 クリーンルームを設置して、洗身設備を設置します。

 容量計算で1時間に4回以上現場の空気を入れ換える負圧集塵機をセットします。

 これがアスベストを除去する作業員の実際の姿です。マスク、手袋は中に置きますが、それ以外は全部一回ごとに廃棄します。

 作業員が入りまして、内部の負圧がこういう形で、クリーンルームから空気が入ったものが、HEPAフィルターを通して外へ行きます。

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