3. 肺がんの組織分類と特徴(原因)

What is Asbestos Lung Cancer?

肺がんには、原発性(げんぱつせい)肺がんと転移性(てんいせい)肺がんがあります。原発性肺がんは、気管支や肺をおおう細胞(上皮細胞)を元にできた肺がんを言います。

転移性肺がんは、肺以外の臓器(前立腺、大腸、肝臓、乳房、腎臓等)に原発したがんが肺に転移した場合を言います。多くの転移性肺がんは原発臓器で大きく肺に多発するため区別できますが、稀に原発臓器で小さく肺に多発しない場合、原発性肺がんと間違う場合があります。

原発性肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの二つに大きく分けられます。小細胞肺がんは肺がん全体の約10~15%、残る85~90%が非小細胞肺がんです。小細胞肺がんと非小細胞肺がんでは、病気の特徴や治療の効果が異なることが知られています。(表1) 

また、アスベスト由来の肺がんは、組織型に関係なく発生します。

肺がんの種類と発生しやすい場所

表1 肺がんの組織型と大まかな特徴
  組織分類 多く発生する場所 大まかな特徴
非小細胞
肺がん
扁平上皮がん 肺門(肺野の発生も高くなっている)
  • 咳や血痰等の症状が現れやすい
  • 喫煙との関連が大きい
  • 増殖のスピードは遅い場合が多い
  • 早期のステージで見つかり、完治する場合もある
  • アスベスト(石綿)で起きる場合もある
大細胞がん 肺野
  • 増殖のスピードが速い
  • 小細胞がんと同じような性質を示すものもある
  • アスベスト(石綿)で起きる場合もある
腺がん 肺野
  • 肺がんの中で最も多い
  • 症状が出にくい
  • 増殖のスピードは遅い場合が多い
  • 早期のステージで発見手術できる場合も多い
  • 遺伝子亜型であう薬がない場合、抗がん剤や放射線が効きにくいことも多い
  • アスベスト(石綿)で起きる場合もある
小細胞
肺がん
小細胞がん 肺門・肺野ともに発生する
  • 増殖のスピードが速い
  • 転移しやすい
  • 喫煙との関連が大きい
  • 石綿(アスベスト)で起きる場合もある

(本項目の文章は2019年3月段階の内容です。2019年4月以降の変化は反映していない場合がある点ご了承ください。)