What is Asbestos Lung Cancer?
肺がんの原因の一つにアスベスト(石綿)ばく露(吸入)があります。アスベストばく露が原因だからといって、喫煙やその他の要因で発症する※1原発性肺がんと治療方法に違いはなく、原因の違いによって、症状や治る・治りにくいといった差はありません。
アスベスト(石綿)にばく露したことが一定程度主要な原因で発症した、原発性肺がんのことを指して、「アスベスト肺がん、石綿肺がん」と呼びます。
なお、アスベストばく露のほかに、喫煙やその他の原因が複合的に重なって原発性肺がんを発症した場合であっても、アスベスト(石綿)にばく露したことが、原発性肺がんと相当の因果関係があると医学的・ばく露歴等から判断できる場合には、「アスベスト(石綿)肺がん」と認定されます。
※1 他の部位(臓器)から肺に転移したものではないという意味
(2020年9月に完成予定で準備中です。もうしばらく、お待ちください。)
アスベスト(石綿)が原因であると認定された原発性肺がんの治療にあたっては、「労働者災害補償保険(労災保険)」もしくは「石綿健康被害救済制度」のいずれかから治療費他が給付されます。仕事でアスベストにばく露した場合には、労災保険から治療費のほか休業補償などの給付が受けられます。
詳しく知りたい方は 中皮腫・肺がん・石綿肺・びまん性胸膜肥厚・良性石綿胸水は、補償の対象になります
また、国は、一定の条件を満たしたアスベスト被害者に対して、損害賠償金の支払いを行うことを明らかにしています(アスベスト訴訟、国賠)。
原発性肺がんで治療中の方が、労災保険・救済給付(石綿健康被害救済制度)制度へ申請し、認定・補償を受けるためには、補償制度ごとに医学的な認定基準等が設けられています。
医学的な要件の中では、特に「胸膜肥厚斑(胸膜プラーク)」というアスベストにばく露した人に起きる、アスベスト特有の良性疾患の有無が、労災認定等を判定する際にとても重要になります。
胸膜肥厚斑(胸膜プラーク)の診断には、胸部CT検査が有用です。労災保険や救済給付の申請手続きを行う際は、主治医だけでなく、アスベストの病気に詳しい医師(アスベスト関連疾患専門医)にも協力してもらうなど、患者さん側からのアプローチが必要になる場合があります。
肺がんの治療の名医や肺がんの臨床経験の豊富な医師が、必ずしもアスベスト(石綿)関連の病気や補償制度について詳しいとは限りません。
というのは、肺がんを治すための治療を行う胸部外科医や呼吸器内科医の多くは、肺がんの治療で患者さんの生命を救うのが優先課題です。
胸膜肥厚斑(胸膜プラーク)は、アスベスト(石綿)肺がんかどうかを医学的に見分ける大切な手がかりですが、生命に直接影響を及ぼすわけではないため、胸膜肥厚斑(胸膜プラーク)の有無には、注意を払わない場合があります。
詳しく知りたい方は 6. 見逃されやすい胸膜プラーク(胸膜肥厚斑) 診断に専門医(名医)が必要な理由
アスベストセンターでは、肺がんの治療や診断、労災保険や救済制度の手続き、会社や国に対する損害賠償請求の交渉や裁判などについて、無料でご相談を受け付けています。
電話相談 03-5627-6007 平日9時〜17時
(本項目の文章は2019年3月段階の内容です。2019年4月以降の変化は反映していない場合がある点ご了承ください。)