Ashita wo Kudasai
クボタショックから一年、アスベスト被害者の声に耳を傾け、その切なる願いに応えようとこの本は出版されました。孤立・分散している一人一人の被害者がつながり一つの思いの下にという意味で「明日をください!」というタイトルが付けられました。そのような思いをもった著者が写真を撮る中で出会ったときの感動が写真と文によって記録されているからです。
その被害の深刻さや悲惨さが言われる中で、一人一人の被害者がどのように生き、どのように闘ったのか。家族の支え、遺族の悲しみ。明日を奪われたが故に明日を思う人たち。この本は、私たちがアスベスト被害で何を知り、何を伝えなければならないかを改めて考えさせてくれます。
この本を読んで、その被害の現場が突き付ける重い現実にたじろぐ方がいるかもしれません。でも、そこから決して目を背けないでもらいたいのです。なぜなら、静かな時限爆弾=アスベストは健康な今のあなたの明日を奪い続けているのですから。そのようにアスベスト被害を他人事ではなく自分のこととして考える人に、この本はきっと勇気を与えてくれるに違いありません。逆境にあればこそ人は本当の明日を見ることができるのではないでしょうか。「明日をください!」というアスベスト被害者の思いはアスベスト公害国となった私たち国民全体の思いともしなければならないのです。
この本を是非、買って、読んで、そしてあなたの家族に、あなたの親しい友人に勧めてください。
2006年7月
「明日をください!」出版委員会
今井 明
案内チラシ(PDF)