The Mask Project
中皮腫・じん肺・アスベストセンターの永倉冬史は、4月22日、民主党のアスベスト対策プロジェクトチームと環境保健ワーキングチームの合同会議に出席し、「東日本大地震復興におけるアスベスト粉じん対策に関する緊急提言」を訴えました。また当日のヒヤリングでは、石綿対策全国連絡会議の古谷杉郎事務局長が、「被災地におけるボランティアのアスベスト・不支給処分対策」を求め、世界保健機関(WHO)の勧告「地震・津波後の清掃におけるアスベスト対策」を紹介しました。
記
東日本大震災復興事業に伴い、倒壊、破壊された建造物、アスベスト含有建材等から発生するアスベスト粉じんに監視、以下のように提言する。
震災による被災地のアスベストの発生については、以下の種類の対策が求められる。
以下、それぞれの時期に対応する具体的対策を示す。
1.については、囲い込み、封じ込めされた飛散性の高い吹付けアスベストが震災によって環境中に粉じんを放出する状態に露出、崩壊していることが観測されている。
地元自治体、労働基準監督署による適正な工事の指示と監督に加え、応援自治体、NPOによる支援が重要となる。対象は、改修・解体工事作業者及び現場を指導する
2.自治体職員については、がれき撤去作業者の防じん対策が必要である。重機による撤去作業者は、石綿障害予防規則で求められる防護服、強制吸気装置つきの全面マスクの着用が求められる。またこの時期には、ボランティアの現地入りが考えられることから、ボランティアの方々にも、アスベストに関する基礎的な知識の提供と、アスベストに有効な使い捨て防じんマスクの支給・配布が必要である。この期間を通して、粉じんの発生しやすい地点での長期濃度測定を行う必要がある。
3、4、5については、アスベスト建材を含むがれき類をまとめ、仮置き場に長期間仮置きし、最終的にはそこからダンプカーなどに再度積み込まれ、最終処分場に搬送される。がれき類の廃棄物仮置き場からは、気候条件等により長期的にアスベスト粉じん等の有害粉じんが発生し続ける可能性がある。この時期には被災地の住民が粉じんばく露する可能性が高くなる。住民、特に子どもたちへのアスベストの知識の普及とマスクの配布が必要になる。マスクを装着する気象条件等を、住民に定期的に情報提供するシステムの構築が必要。
以上の対策について、NPOなどの意見も踏まえ、迅速な対策が構築されることが求められるとともに、防じんマスクを配布する体制が早急にもとめられる。
以上