The Problem of Recycled Macadam
再生砕石とは、建築物の解体等に伴い発生するコンクリート塊やアスファルト・コンクリート廃材を破砕し粒度調整したリサイクル材です。そのほとんどが中間処理業者により生産、販売されています。再生砕石は強度的に弱いので主に路盤材として道路、駐車場等に使用されています。
建設リサイクル法(2002年完全施行)により建築物廃材のリサイクル(再資源化)が推進され、コンクリート塊等の再資源化による再生砕石量は2008年度では3,720万トン、リサイクル率は98%に達しています。(※参考資料 国交省平成20年度建設副産物実態調査結果)
再生砕石の品質を管理するため、業界内で以下の粒度規格が決められています。
和歌山県およびさいたま市において再生砕石からアスベスト含有建材が発見され、さいたま市のケースは2010年8月18日東京新聞に大きく報道。以後再生採石アスベスト問題の関心が高まる。
再生砕石に含まれるアスベストは主にレベル3に区分される建材である。 アスベスト建材は解体時の作業区分として3つのレベルに分類。
再生砕石の建材片はレベル3に区分される成形版(主にスレート)で比較的飛散性が少ないとされている。このためレベル3に関する解体工事、除去工事の法規制などは十分整備されていない
敷設された再生砕石を市民団体が全国345ヶ所調査し、343ヶ所でアスベスト
含有建材を検出している。
この結果より「再生砕石どこにでもアスベスト有り」といえる。
再生砕石のアスベスト建材混入が、大きく報道されたことを受け、2010年9月、国交省、環境省、厚労省の三省合同で再生砕石へのアスベスト建材の混入防止を徹底するよう全国自治体および関係企業団体などに通知を出すとともに、都道府県などに建築物の解体・改築現場および破砕施設への立ち入り検査を要請した。同年12月24日その結果が発表された。(一部抜粋、詳細は国交省HP)
破砕施設(産業廃棄物の処理施設)に関する立入検査の実施結果
(廃棄物処理法に基づく立入検査)
【実施期間】平成22年4月~10月
【立入検査した施設数】がれき類の破砕施設(5,434施設)のうち、4,350施設
【石綿含有廃棄物に係る不適正事例に対し指導を行った件数】52件
この結果を見ると不適正事例はわずか1.2%に過ぎない。調査が適正か疑問は残るが、全国自治体や業界にこの問題を強く印象付ける効果はあった。
レベル3建材は非飛散性とされるが、これはアスベスト繊維がセメントなどと混合され、しっかり固められているためと思われる。しかしレベル3建材も解体時の破砕はアスベストを飛散させるため、基本的に手ばらしによる解体が求められている。
解体時の破断による飛散実験例も外山らにより報告され、数千本/リットルのアスベスト繊維が観測されている。
外山尚紀ほか 産衛誌 44巻、327(2002)
再生砕石に含まれるアスベスト建材は、コンクリート塊とともに表1の粒度規格による
破砕を受け、細かく粉砕されている。細かく砕かれた状態では建材の表面積が著しく増加し、アスベスト繊維が露出、剥離する。
再生砕石(RC-40)の粒度分布では直径が0~2.36mmの砂状の細かい粒子が5~25%も含まれている。
採取された土壌からアスベスト繊維束が検出されたことが報告され、建材片の破断面からアスベスト繊維が剥離することが示された。
斎藤宏、斎藤紀代美 第2回石綿問題総合対策研究会予稿集 2014.2.1 東京工業大学
0.001%アスベスト含有土壌から100本/リットル以上のアスベストが飛散すること確認した。
Addison J. et al Historical Research Report TM/88/14(1988)