Asbestos Survey Report of Great East Japan Earthquake
5月頃には、被災地では津波による湿潤状態が乾燥しはじめ、がれき撤去も本格的に始まり、各地で粉じんの発生が見られました。
5月2日から5日にかけて、陸前高田市、大船渡市、釜石市に調査に入りました。陸前高田市では、海に面した市街地は津波でほとんどの建物は倒壊し、いくつかの頑丈な建物はゴロンと建物ごと転がっている有様でした。
重機によるがれき撤去がそろそろ始まっていましたが、重機のはさみががれきをつかむたびに粉じんがもうもうと立ち上がり、重機が反転するたびに粉じんの幕がゆっくりと町中をなめていきました。その中で交通整理の作業者は、笛をくわえてマスクもしていない状態でした。
津波で別れ別れになった母親を捜して、女子中学生が友人と3人で、がれきを撤去している町中を歩いていました。一般粉じん用のマスクをしていましたので、アスベストに対応するマスクを手渡しました。
釜石市では住宅の解体撤去が始まり、市民は自分の家が解体されるのを見守っていました。市民も花粉用などのマスクをしていましたので、アスベストに対応するマスクを手渡し、つけ方の指導講座を緊急で行いました。
大船渡市では、地元の消防士などボランティア活動をしている人たちと、アスベストの情報交換をし、防じんマスクの普及を呼びかけました。