The Research Encouragement Award
研究奨励賞は、自薦1点、他薦3点の論文の応募があり、分野は法律学1点、リスク学1点、医療1点、その他1点の4点を選考しました。選考では、審査のある雑誌への掲載か否か、内容に関する同じ分野委員の評価、来年以降の研究を含め奨励選考した方が良いか等の検討が行われました。
その結果、研究奨励賞部門の研究特別賞に医学(外科学)の岡部和倫(おかべかずのり)氏が執筆した「悪性胸膜中皮腫の集学的治療」」(肺癌、第58巻Supplement号、p948-951、2018年)を受賞対象としました。この内容に関して、同氏は米国胸部外科学会でも報告されています。
受賞者名:岡部 和倫(おかべ かずのり・ベルランド総合病院呼吸器外科部長)
掲載誌/発表した学会・研究会名:肺癌(日本肺癌学会)
公刊/発表年月:2018年11月
年齢:64歳
居住都道府県:大阪府
受賞者の紹介と選考理由:
岡部氏は1985年大分大学医学部卒。2002年から2004年米国ハーバード大学の教育病院Brigham and Women’s Hospitalで胸膜中皮腫の胸膜外肺全摘術で世界一実績があるシュガーベーカー教授から手術を学んだアジアで数少ない胸部外科医です。2006年から2020年山口宇部医療センターで胸膜中皮腫に胸膜外肺全摘術(EPP)を60例行い、日本でトップクラスの手術数で患者さんが全国から来院されました。
2011年からの上皮型悪性胸膜中皮腫に対する胸膜外肺全摘術(EPP)を含む集学的治療30例で治療開始後5年生存率が36%、生存期間中央値が58ヶ月と生存期間中央値が5年と世界トップレベルの成績でした。日本の中皮腫の外科治療を2006年以降長年牽引されてきました。
今回の選考では、2018年の第59回日本肺癌学会教育講演「悪性胸膜中皮腫の集学的治療」(肺癌、第58巻Supplement号、p948-951、2018年)が評価され、この内容に関連して2021年1月の米国胸部外科学会The Society of Thoracic Surgeons(STS)の「悪性胸膜中皮腫に対する胸膜外肺全摘術を含む集学的治療の成績」に関する報告があることも確認されました。
岡部氏は、2020年からベルランド総合病院呼吸器科部長として勤務されています。
受賞者コメント:
研究特別賞を有り難うございました。受賞対象の論文は「悪性胸膜中皮腫の集学的治療」で、日本肺癌学会誌「肺癌」に2018年11月に掲載されました。私はアメリカ医師試験にも合格し、ハーバード大学教育病院のBrigham and Women’s Hospitalでクリニカルフェローを務めました。本賞を契機に、胸膜中皮腫に関しては世界一と評価される病院での手術経験を生かして、更に貢献したいと決意しています。
ベルランド総合病院 呼吸器外科部長 岡部和倫
2024年7月16日現在
第一回の募集は締め切りました。
応募期間 : 2023年10月1日(日)〜2024年1月5日(金)(必着)
入賞者発表: 2024年7月中(諸事情により発表を3月中旬から7月に延期しました)
受賞論文等: 2024年内にアスベストセンター機関誌にて発表
アスベスト・研究奨励賞: 賞状、副賞40万円まで
研究特別賞(1点まで): 賞状、副賞10万円
アスベストに関する問題の理解を深め、解決に向けた制度提案、重要な課題の指摘・明確化で問題の解決に資する研究を奨励し、今後の研究の発展を促すこと。
下山憲治氏(早稲田大学)、寺園淳氏(国立環境研究所)、名取雄司氏(医師)、村山武彦氏(東京工業大学)
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5F
中皮腫・じん肺・アスベストセンター
「アスベスト・研究奨励賞」係
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中皮腫・じん肺・アスベストセンター
「アスベスト・研究奨励賞」係
asbestosawards@gmail.com