2005年度 活動報告

1.アスベスト対策基本法等 法律及び省庁交渉等の取り組み

 2005年10月から、石綿対策全国連が実施した石綿対策基本法の制定を求める署名活動に取り組みました。政府の提出した石綿関連法案の問題点を指摘し、政党や国会での意見表明活動に取り組んで来ましたが、私達の意見が十分反映した法案とはならずに、拙速で公平とは言えない法案が成立しました。

 11月と12月に内閣府を窓口とした多省庁交渉を実施し、確実な成果を挙げて参りました。

2.全国からの電話相談と対応

 当センターの基礎的な活動であり、電話相談を毎日継続してきました。特に7月からは電話相談が殺到し必死に回答を続けましたが、十分対応できたとは言えないほどの相談が寄せられました。全国へ相談員を派遣し個別相談と地域の支援体制作りを援助してきました。相談事例と対応を見直す検討の場や研修を毎月実施してきました。じん肺基金や、全国安全センターが実施した中皮腫・じん肺ホットラインに協力してきました。11月から建材相談の曜日を、火曜日と木曜日の午後に限定し、相談に応じて参りました。医療相談及び緩和ケア相談専用の電話相談の試行は、実施できませんでした。

3.中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 事務局活動

 2005年度の重点的な課題として、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会の事務局の強化に協力しました。会員数は2005年4月153人でしたが、2006年3月には226人となり、対応に追われました。9月から全国事務局会議を毎月開催し対応する事とし、11月には臨時総会を開催し、共同世話人方式から会長・副会長方式に移行いたしました。機関誌の発送等に、関東の会員がボランテイアで手伝ってくださる体制が徐々に確立いたしました。11月と12月、他省庁交渉を実施しました。会・関東支部の活動にも協力してきました。

4.環境アスベストへの対応

 全国からの環境相談に応じ、学校でのアスベスト対策の充実や、自治体での対策の促進、石綿規則の実施と監視、環境教育の実施等を実施していきます。

5.調査・研究活動

 8月28日、「シンポジウム 環境とアスベスト」、「緊急シンポジウム 吹きつけ石綿と石綿含有建材の建物調査 何が現在適切か?」、10月16日に医療関係者向け講座「石綿関連疾患の診断・ケア・飛散防止対策」を開催しました。12月に「図解 あなたのまわりのアスベスト危険度診断」(朝日新聞)を緊急出版し、2006年4月には、書籍「医療関係者のための石綿関連疾患 診断・ケア・予防」を発売しました。

 2005年11月1日から運営委員の外山尚紀氏(作業環境測定士・労働衛生コンサルタント)が勤務する東京労働安全衛生センターが、空気中のアスベスト濃度測定の受付、アスベスト建材の有無と含有率分析の受付、改築時のアスベスト対策の相談を開始致し、全面的に協力しました。ビルでの吹きつけアスベストの各種調査は、東京安全センターで行われています。

 ビルの石綿建材、天井内吹きつけ石綿濃度測定、駐車場の吹きつけ石綿問題は、十分な調査ができませんでした。石綿障害予防規則に関する現場実態の改善状況把握調査、医療論文翻訳、過去の石綿使用等に関する資料の整備や情報提供は十分には実施できませんでした。

6.ホームページでの情報提供

 2005年7月からHPのアクセスは急増、7月は14万件、8月は7万件のアクセスとなり、その後も月数万件のアクセスが続いています。建材や環境曝露でのメール相談の回答をまとめた内容として、「身近な環境の中にあるアスベストに関する疑問に答える、環境Q&A」のHPを10月に新設しました。また8月28日実施した「シンポジウム 環境とアスベスト」を公開し、多くの方に情報を伝えました。公開が大分遅れましたが、8月28日午前に実施した「緊急シンポジウム 吹きつけ石綿と石綿含有建材の建物調査 何が現在適切か?」及び、名取所長の標準的な講演「石綿関連疾患 総論」を2006年3月に公開し、石綿に関する標準的な情報の周知に務めました。

 眼で見る石綿製品コーナーの充実、石綿規則の紹介、医療論文や海外の状況の解説は、時間もなく十分な内容にはできませんでした。

 多くの自治体や行政、報道機関、HP、医療機関等から当HPの写真や内容の転載の依頼が多く寄せられ、営業目的を除く場合に広く提供して参りました。

7.法律プロジェクト

 法律相談を必要とされる方の相談に応じる体制として、2005年7月から法律プロジェクトを立ち上げ、2ヶ月に1回程度開催してきました。10月には正式に結成されたアスベスト訴訟弁護団・関東及び関西によるアスベスト訴訟ホットラインが実施されました。法律プロジェクトは、アスベスト訴訟弁護団・関東及び関西と協力してきました。

8.地震での対応

 2005年4月26〜27日雪解けの中越地震現地を訪問し、5月22日には地元小千谷市でアスベスト学習会の開催に協力しました。地震と防災体制に関するシンポジウムは、2005年度は開催できませんでした。

9. 事務局体制

 事務局活動を漸次ボランテイアから職員へ移行していく予定でしたが、仕事量の急増で、職員もボランテイアもフル稼働の1年となりました。法律プロジェクト等の必要に応じて、事務局非常勤職員等の補充を行いました。

10.中皮腫の方の写真撮影について

 尼崎を中心として、全国の中皮腫等の被災者御家族の写真撮影を実施しました。

11.他団体との協力

 石綿対策全国連絡会議、全国労働安全衛生センター連絡会議、(NPO法人)東京労働安全衛生センター、(社)神奈川労災職業病センター、(NPO法人)じん肺アスベスト被災者救済基金、名古屋労災職業病研究会、関西労働者安全センター、愛媛労働安全衛生センター、広島労働安全衛生センター、(医)ひらの亀戸ひまわり診療所、じん肺患者同盟(北茨城・高萩・東京東部・横須賀・建設東京支部)、建築じん肺被災者の会東京、横須賀地区じん肺被災者の会、全建総連東京都連、労働者住民医療機関連絡会議等の諸団体と協力して活動してきました。

12.会員数(5月16日現在)

 個人正154人・個人賛助25人・団体正13・団体賛助5、です。