シンポジウム第3回 地震とアスベスト

シンポジウム 建造物のどこに石綿は使われているのか?

牧 哲史氏(国土交通省 総合政策局 建設業課 建設業技術企画官)

司会: 続いて、私達の暮らしとアスベストというのはどう関わりあうのか、アスベストというのは私たちの建物のどこに使われているのか、もう少し詳しく牧哲史さんのほうからご説明して頂きたいと思います。

牧: 写真等交えて、どんな所にアスベストが使われているのかというご紹介を皆さんにさせていただきます。アスベストといっても、飛散性アスベストと非飛散性アスベストの2種類があって、飛散性アスベストについては1975年頃から厳しい規制がかかっています。非飛散性アスベストについて最終的には、今年の10月以降から規制がかかる状況です。どんな所に使われているかご説明していきたいと思います。

 まず飛散性アスベストですが、吹き付けしているもの、これは鉄骨造りの耐火構造のところで耐火建築物とするためには、耐火被覆をしなくてはいけない。その一つの有効な手段として、アスベスト或いは、アスベストを含有するロックウールというものが吹き付けされて使われています。それと、吸音材としてコンクリートの壁に吹き付けていたというものがあります。

 それから次は配管の屈曲部で、特に保温を要する配管類、セントラルヒーティングでありますとか、配管の部分、例えば工場等で使われているものですが、その曲がっている部分に石綿そのものを張り付けていってしまうという使い方をしています。

 それから、次は天井のバーミキュライト、ロックウールの一種だと思いますが、直接吹き付けをして使っています。

 飛散性アスベストには該当しないのですが、それに類するものとして、解体工事等を行う際に、どうしても飛散してしまうというような性質がありまして、これは通気管のパッキングの部分で、アスベスト含有製品があります。次は取り外したところの絵でございますが、この綿のような物質の中に色々アスベストが含まれているという状態です。

 これも同じような板になった製品ですが、鉄骨構造の所に板として張り付けているものですが、ケイ酸カルシウム板の中にアスベストが入っているということでございます。アスベスト含有製品ということになるのですが、これも壊す時に、かなり飛散する可能性があります。

 非飛散性アスベストですが、これはそっとしておけば飛散することはないが、解体を行う時に、例えば電動ノコギリで切ってしまうとか、あるいはミンチ解体などをしてしまうと、割れ目から飛散性アスベスト同様に危険な粉が出てきてしまう。規制については、ビニールで覆って養生はしないが、それに準じて散水したり専用の掃除機で吸い取ったりしています。

 次も同じで、壁材・建物の壁です。ご家庭にもあると思われますが、そういった所にも全てではないがアスベストが含有されています。

 次は天井ですね。

 床のPタイルにも使われています。

 それで、1975年、昭和50年に労働安全衛生法の、これは確か省令だったと思いますが、改正になって、吹き付けアスベストは禁止されたというようなことがありました。寺園さんの調べによりますと、ちょっと残っていたということがあったと思うのですが、それとアスベスト含有製品については一部配管のパッキング等を除きますと、基本的には今年の10月から大部分の所で禁止ということになるわけですが、現在の労働安全衛生法ですと、事前に届け出をして、基本的にはちゃんと処理がされます。また周辺環境につきましても、大気汚染防止法の中で、一定規模以上の工事でありますと、届け出が義務づけられ指導が入るということになっています。制度的にはちゃんと法律が守られれば、必要な養生とか、或いはアスベストの飛散を防止する必要な対策がとれるということになるわけです。問題はその全てに網がかかるかどうか、要するに違法な解体が未だ存在しているというような状況、もう一つは、災害の時になりますと他に優先することがでてきます。人命救助を優先するなどです。もう一つは、緊急輸送路の関係ですね。あるいは他に優先すべきことがでてきて、急いで工事をするためにどうしてもアスベストを飛散させてしまう。あるいは必要な材料、水や薬品が手に入らない。こういうことが起こりうるので、それをどうしたらいいのか、というのが一つの課題であろうかと思います。以上です。

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