東京都知事各候補者への「アスベスト政策に関する質問状」と回答

 中皮腫・じん肺・アスベストセンターは東京都知事候補者の石原慎太郎、浅野史郎、吉田万三、黒川紀章各氏に、「アスベスト政策に関する質問状」を3月25日付で送付しました。4月2日現在、黒川紀章候補、浅野史郎候補のお二人から以下のような回答をいただいております。

 都知事選への各候補の判断材料の一助となれば幸いです。


アスベスト政策に関する質問状

2007年3月25日

東京都知事候補各位

中皮腫・じん肺・アスベストセンター 
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5F
Tel 03-5627-6007 Fax 03-3683-9766
e-mail : info@asbestos-center.jp
HP: <http://www.asbestos-center.jp/>

 貴下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 さて、2005年尼崎市クボタの旧工場周辺住民から、アスベストによる中皮腫疾患が多数報告され、現在では100名を超える被害者が闘病、もしくは亡くなられています。このような悲惨な被害は世界的にも類を見ない大惨事です。また、最近にはNHKテレビ「クローズアップ現代」で、神奈川県横浜市鶴見区に在ったアスベスト建材製造工場周辺住民のアスベスト被害が紹介されています。東京都内にもかつては数多くのアスベスト製品製造工場が存在しました。このような過去のアスベスト製品製造工場周辺の住民の方の健康診断は急務です。

 また、既存のアスベスト対策では、都営住宅の吹き付けヒル石の対策等公共施設でもまだ多くの課題が残されているほか、民間施設のアスベスト対策は千代田区の取り組みを見るまでもなくまだまだ不十分です。

 このような現状を踏まえて、都知事に立候補されました各位に以下の質問をしますのでお答えください。

質問1)あなたが都知事になりましたときに、都として過去のアスベスト製品製造工場の調査、周辺住民の健康調査を行いますか?行う場合、具体的にはどのような調査をお考えですか?

回答

黒川紀章候補: 行います。具体策は選挙後立案。(回答日3月31日)

浅野史郎候補: 調査の必要性は否定しませんが、現在、都内には既にアスベスト含有製品を製造する工場は1軒も存在しないことから、困難が予想されます。仮に調査を行うとすれば、まずは貴会のご主張の通り、過去のアスベスト製品製造工場の調査から行う必要があると思います。過去のアスベスト製品製造工場の調査は、過去のアスベスト製品の調査(リストアップ)から始め、各製品の製造業者・工場の特定(所在地・製造時期など)が必要になるでしょう。しかし、それら製造業者も、大企業から小さな町工場まであるでしょうし、また、その中には既に廃業して情報の収集が困難な事業者も多数あるであろうことを考えると、この調査そのものが非常に困難になると予想されます。周辺住民の健康調査は、そのような製造工場の所在地・製造時期などの特定後に行うことになると考えます。いずれにせよ、現実的にどのようなことが可能か、真摯に検討したいと思います。(回答日3月31日)

質問2)あなたが都知事になりましたときに、既存アスベスト対策として都営住宅の吹き付けヒル石対策、及び吹き付けアスベスト対策はどのように行いますか?

回答

黒川紀章候補: 早期除去。(回答日3月31日)

浅野史郎候補: 都営住宅については、今年度、天井仕上げに吹き付けヒル石を使用している昭和42〜59年度に建設した2,909棟を対象とした調査が実施され、うち99棟で含有率1%を越えており、対応としてボード張りによる囲い込み工事が実施されていると聞いています。
 この対策だけで十分かどうか、調査内容が妥当であったのかについての検証も必要でしょうし、他に対応が必要かどうかについてもさらに検討したいと思います。(回答日3月31日)

質問3)あなたが都知事になりましたときに、都内の民間建築物のアスベスト対策をどのようにお考えですか?戦略的な除去スケジュールがありますか? あればスケジュールをお示しください。

回答

黒川紀章候補: 個別対策必要だが、まず診断について都が補助したい。(回答日3月31日)

浅野史郎候補: 東京都では、国土交通省からの指示により、概ね1,000m2以上の民間建築物のうち、昭和31年〜平成元年までに施工されたもの10,651棟を対象に調査を実施しましたが、昨年9月時点で調査報告のない建築物が2,588棟、調査済みで今後何らかの対応が必要と判明している建築物が258棟残っていると聞いています。
 当面は、これら未調査の建築物での調査の実施、調査の結果対応が必要と判定された建築物における対策を進めることが必要です。また、国の指示に基づく調査では、対象を特定しやすく、比較的調査が容易な大規模建築物だけが対象となっていますが、それ以外の小規模な建築物について、どのように対応していくべきか、検討する必要があると考えます。(回答日3月31日)